都道府県のPRは愛されているか
最近、都道府県のPRでソーシャルメディア経由で話題になる事例が増えてきました。
従来、都道府県のPRというと、非常にカタい内容が多かった印象がありますが、
最近では、面白い切り口からPRを行う事例も増えてきています。
今回は最近の都道府県のPR施策として、香川県/広島県/佐賀県/鳥取県の事例をご紹介しながら、
都道府県のPRの変化について考えてみたいと思います。
▼香川県
まずは「うどん県」。
ニュースサイトを中心にかなり話題になったので、ご存知の方も多いと思います。

http://www.my-kagawa.jp/udon-ken/top.html
「香川県は『うどん県』に改名しました。」という台詞で、
要潤がうどん県の副知事になるという動画が話題になりました。
スペシャルサイトでは、「うどん県民に聞きました」というインタビューコンテンツで、
香川県出身の有名人が香川県の魅力を紹介しています。
実は、このPRのコピーは、「うどん県 それだけじゃない 香川県」となっています。
このスペシャルサイトで伝えているのは香川県の「うどんのおいしさ」だけではなく、
うどんを起点に、「うどん以外にもたくさんある香川県の魅力」を伝えています。
▼広島県
香川県のPRに続いて先日話題になったのが、広島県のPRです。
このPRでは、「おしい!広島県」をキャンペーンコピーとして、豊富な観光資源が全国にあまり知られていない、
「おしい!」状況を打破し、たくさんの人が広島県を訪れることで「おしい!」が「おいしい!」へ
変わることを目指しているそうです。
ここでは、有吉が広島県観光大使として、広島県を「おしい県」と命名します。
明らかに香川県のPRをオマージュしており、うどん県の要潤も出演しています。
▼佐賀県
続いては、佐賀県のPR動画です。
「THREE MINUTE TRIP TO SAGA」という佐賀の観光地や特産品をPRする動画を制作しています。
コンセプトは、「 『Avant-garde Country Side』~アバンギャルドな田舎、挑戦する田舎~」。
動画は本編とメモ編の2部構成になっていて、常に挑戦していく地域ということを伝える動画となっています。
この動画は「NUMBER GIRL」や「ZAZEN BOYS」で知られる向井秀徳が担当しており、
音楽系のニュースサイトなどでもとりあげられていました。
▼鳥取県
最後に、ソフトバンクのCMで話題の鳥取県です。話題の発端となったのはこちらのCM→ 白戸家「お父さんにチュー」篇
このCMで鳥取県では糸電話が使われているというくだりが出てきます。
CMでは「嘘」として扱われているのですが、これに鳥取県が便乗。
鳥取砂丘に隣接する売店では、「通話料は無料です」と記載された、糸電話の販売を開始しました。
紙コップに4メートル程度のたこ糸をつなげただけの何の変哲もない糸電話ですが、
「砂丘で話すのに便利」ということで販売は順調だそうです。
また、当初鳥取県の公式サイトでは、「鳥取砂丘では携帯電話はつながります。」
という注意書きがなされるなど、反響の大きさがうかがえました。
▼愛されキャラを目指す都道府県のPR
上記の事例からも分かるとおり、都道府県のPRは、徐々に変化を見せています。
従来は、地方の歴史の名所や観光スポットを伝えるためのPRがほとんどでしたが、
今や、いかに人々に「愛される」県になるかを目指すPRへ変わってきています。
ソーシャルメディア時代の都道府県PRにおいては、このようにいかに愛されキャラを目指すかが重要になってきます。
一方で、都道府県のPRで課題となってくるのが、エクスターナル(外部)へのブランディングと
インターナル(内部)へのブランディングのギャップをどのように埋めていくかということだと思います。
顕著な例として、上記にあげた鳥取県の場合には、県民から「鳥取県を侮辱している」
という苦情が多数寄せられ、2ちゃんねるなどでも話題になっていました。
(個人的には、何でも便乗する鳥取県として非常に愛らしく感じるのですが。。)
本来、都道府県のPRを行ううえで、地元の県民といっしょに都道府県をPRしていくという姿勢は非常に大切だと思います。
県の公的機関が県民の意識とかけ離れた視点からPRを行うことは、その県の外にいる人にとっては
「愛らしい」コンテンツになるかもしれませんが、その地に住んでいる県民からすると、共感されないばかりか、
せっかく地元の都道府県のために行ったPRでも、嫌悪感を持たれてしまいかねません。
その点では、県民が自らを「うどん」の県と主張する香川県が、「うどん」という県民のアイデンティティをPRの起点とし、
「うどん以外」のコンテンツも広めていくというPRは、構造として非常にうまいなと感じます。
(実際に僕のまわりの香川県人もうどんが好きな人が非常に多い(笑)。)
ソーシャルメディア時代の都道府県のPR手法を考える場合、まず大切なのは、
その都道府県のアイデンティティは何なのか、そしてどのようなコンテンツを起点にPRを行えば
地元の県民の共感を得られ、県外の方に愛される県になることができるかが、
非常に重要なポイントになるのではないかと考えます。
ちなみに、鳥取砂丘では赤い糸のついた糸電話を販売予定だそうです。
個人的にはそんなノリのいい鳥取県が大好きなんですけどね(笑)。







